初恋 1


 初恋はいつ?
 ‥と、平然と聞かれるとむちゃ困る。(聞きたがるんだよ、世の乙女ってやつぁ!)

 一番最初に「好き」と思ったのは、たぶん‥ 人間じゃない。(はぁ〜〜‥)
 学習漫画「恐竜のひみつ」に載っていた首長竜‥だと思う。少し、翼竜に浮気しそうになるところをこらえつつ、幼稚園児の私は、日がな一日、そのイラストの黒くてつぶらな瞳をうっとりと眺めていた。

 しかし、私はもしかすると浮気性なのかも知れない。
 そのうち、バビル二世の「ロプロス」に惚れた。
 怪〜鳥〜ロプロスである。ずっと「会長」だと思っていたが、んなことはどうでもいいのである。ロデムも好きだったが、うっとり度は天地の差。「地を駆けろ」を「血をかけろ」と信じていたのも、今となってはどうでもいい。
 あまりの格好良さにその御姿を描いて、切り抜き、糸をつけて凧のように飛ばす‥つーか落ちないように走り回っていた。(きっと愛情表現に違いない)

 しかし、私は浮気性の上、冷めやすい女なのだろう‥(なんてぇ、罪作りな‥)。
 ロプロスが敵にやられて、表面の装甲が剥げ、ブリキングなその身が露わになった瞬間、冷めたね‥。
 なんてこったい、ポセイドンと同類だったとは〜。

 その後、彼ら以上に胸をときめかす存在に逢ってない。



けど、それとなく公園の白鳥の置物に惚れた‥



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