びっぐ・ふっと?


高校に入学したての頃、業者が体育館シューズを売りに来た。
学校指定の靴なので、とりあえずGETしとかなければならない。
業者に開放された教室は、生徒達でごった返している。
その中で、私はサッと業者のオジサンにささやいた。

「25センチの下さい‥」

自慢じゃないが、私の足は、少々デカめ。
メーカーによって全然変わってくるが、24.5〜25の間くらい。
(自称「24.8」なのだが、力説すると憐れみの眼差しが降りそそいでくる)
今回は運動用ということもあって、大きめを買うことに決定。
‥だが、どういうわけか、オジサンは私にだけ靴を出し渋った‥。

「25じゃ大きいよ‥。悪いこと言わないから4.5にしときなさい‥」

サイズが合わない場合は交換してくれる。
そんな安心感からか、周囲を見ても、履いて確かめている子はほとんどいない。
おじさんだって、他の皆には、言われるままにポンポン売っている。

 ーー なのに何故、私だけ??
    25ってそんなに大きいの!??

既にオジサンの横では、奥さんらしき女性が24.5のシューズを用意している。
そこまで言われては仕方がない。
従順な私は、うながされるまま、確認の為に靴を履く‥。

 しかし‥‥!!
私は、おずおずとオジサンを見上げ、靴を差し返した‥。
オジサンは上機嫌でそれを受け取る。

「ああ! 4.5も結構大きいやろ? 24にしとくか?」

「いえ‥ 小さいんで‥‥」

その瞬間、周囲はドッと爆笑の渦!!
素知らぬ振りして、聞いていたのか、皆〜〜!!‥
あと、オジサン、あんた笑いすぎ‥!



これでも、我が家では一番、小さいんだよ‥



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