叫び


昔住んでいた社宅の真ん前には、かなり年季の入った豚小屋があった。
規模もそれなりに大きく、常にプヒプヒというざわめきと、残飯の酸い〜匂いが漂っていた。
そして、夕刻になると決まって、

 ピギィイイイイ!!

という断末魔の叫びのようなブタの雄叫びが、空に響き渡るのである。

 ああ‥殺されてるんだ‥‥

逃げるように豚小屋に背を向ける私。
それもこれも私達の胃袋に入るため‥と思うと、さらにいたたまれない気持ちになってくる。

が‥ 数ヶ月後、その豚小屋はあくまで養豚場であり、屠殺まではしていないことが判明。
じゃあ、あの鬼気迫る雄叫びは??

そう、その時間は彼らのご飯タ〜イムだったのである‥(うーむ、くだらんオチだわ)。

夏の豚小屋は目眩いがするぜ‥(臭くて)



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