恐怖の味噌汁


「恐怖の味噌汁」 (微酔読者で「知らない」なんて人はいないと信じつつ、不安なので、文末に注をつけてみたりする)

この響きは「鳴くよウグイス平安京」並に全国共通!!
そう信じて疑わなかった私が目眩を覚えたのは、高校一年の春であった。
なんと、クラスの女子のほとんどが「知らない??」と答えたのである!!
(何の調査をしてるんだ。ちなみに男子クラスだったので、女子は10人ほどしかいなかった)

こ‥これはいかん。
では、更に有名(?)な「悪魔の人形」「悪の十字架」はっ??
うっ‥ 3人。(いるだけマシか‥)
当然のごとく、もうちょっとマイナーな「青い血」や「ネコの怨念」は、何それ?状態である(もうやめろよ‥)。

本当のところ、超マイナーらしい「死体が逃げる」の認知度を知りたかっただけなのだが、予想外の展開である。
クラスメイト達は聞き慣れない言葉遊びに好奇心を刺激されたらしく、信じられないほど真剣に私の話を聞いてくれている。
そう真剣に‥!
ここでようやく、私は調査対象を誤ったことに気づいた‥。

というのも、ここまで世塵に汚れていない女子高生がいたのかと畏敬の念さえ抱かせるほど、このクラスメイト達はどこまでも真摯なのである。
出会った当初、一体どこのお花園でお育ちになったお嬢様方かと思ってしまったが、そういうわけではないらしく、単に何事においてもマジメで一所懸命なだけらしい。
学究の徒‥ そんな響きがよく似合う。(なんと休み時間もお勉強してたりするのである)

異世界じゃ。まごうことなき異世界じゃ‥。

ああ‥ ボケとツッコミがある世界に帰りたい。
マジメに話すと「オモシロイねぇ‥」としみじみ言われ、冗談を飛ばすとキョトンとされる。
間違っている‥。

こんな小学生も一笑に付す 駄ジャレ‥。
ああ〜そんなにキラキラした眼差しで、感心して聞かないで〜〜!!
汚れるわっ! 私の言葉なんか聞いたら汚れるわよ〜〜!

痛む心と裏腹に、私のトークは絶好調。
これが二律背反ってやつなのね‥。
結局、知りうる限りを披露しまくった、お調子者の私であった‥。(ダメじゃん‥)

(ちなみに3年間持ち上がりのクラスなんだよね。ウフフ〜 ←遠い目)


※ 知ってるわ・よ・ね!(何故か高飛車)

・「恐怖の味噌汁」 ⇒ 「ママー、今日なんのお味噌汁ー?」
               「『今日、麩(ふ)の味噌汁』よー♪」

・「悪魔の人形」 ⇒ 「あ! クマの人形!」

・「悪の十字架」 ⇒ 「な〜んや、この店『開くの10時か』‥」

・「青い血」 ⇒ ジュースをすすって‥
          「あ〜 オイチィ(美味しい)!」

・「ネコの怨念」 ⇒ あの階段に「ネコの(が)おんねん」。(く、苦しい‥)
             (「ネコの怪談」とも呼ばれる)

・「精気を吸う男」 ⇒ ズズッ ズズッ‥
              「なんの音っ!?」←振り返る
              「‥‥‥シェーキを吸う男‥」

・「死体が逃げる」 ⇒ 防波堤で男が子供を連れて釣りをしていた‥。
               ただならぬ気配を察したらしく、ふいに騒ぎ始める子供‥‥。
               すると、男は険しい顔で‥
               「シッ! 鯛が逃げる!!」

・「呪いの車」 ⇒ 「鈍(のろ)いの車‥」(今作った。オイ!)

 く‥ くだらねぇ‥。




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