飛べ〜飛べ〜♪
空を飛びたいっ!!
幼い頃からの私の夢(なんて愛らしいの!)。
それをあっさりうち砕いてくれたのは、何を隠そう、学研まんが「鳥のひみつ」だった!
翼の仕組み等々のうっとりな内容、しょーもないギャグ、エエ感じで読み進めていた私は、悲しいかな、衝撃の事実を知ってしまったのである。
そんな……(暗転)。
私がマンガのキャラなら、滝のような汗を流しまくったあげく、体は溶けて消滅…レベルのダメージ(大げさな…)。
なんと、そこに描かれていたのは、通常の何十倍もの胸の筋肉をゲットした人間の図。
その激しく隆起した胸は、身長の2倍以上ある巨大なフランクフルトがボイーンと生えたかのようである。
あろうことか、私の夢……! 自力で空中散歩……翼をつけて羽ばたく為には、それだけの筋肉が必要だと、そこには書いてあるのである!!
ありえん。すでにアンタ人間じゃねぇ…。
いくら私がチャレンジャーでも、この思い切りの良い図を見てしまったら手も足も出ない。
その上、鳥の骨は人間と違って、中が空洞、軽い作りになっている…等々、バカヤローな事実が楽しげに紹介されている。
この頃の私に骨粗鬆症なんて荒技が思い浮かぶはずもない…(浮かんでたらヤバい)。
夢は終わった…。
頭では理解しているのに、よほど諦めきれなかったのだろうか……。
それでも私は小学校3年生くらいまで、せっせと飛ぶ練習を繰り返していた。
せめて滞空時間を、飛距離を伸ばそうと、なるだけ高いところから、遠くへ遠くへ…。
その上、多少の空気抵抗を期待して、両手パタパタ…。
とっても真面目に、飛ぶ… いや、跳ぶ…… いいや、ゆっくり落ちる…練習をしていた。
ああ、けなげ……(うっとり)
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