発掘現場へようこそ その1(叫ぶぞ)


発掘現場でバイトをしていた時のこと。
出てきた遺物やなんやらを5〜6人でせっせと洗っていると、一人の奥様が茶色い小皿のようなものを宙にかざし、うっとりと呟いた。
「綺麗な、お皿ねぇ〜〜。ほら、見てぇ…。葉脈みたいな模様までついてる…」
よほど気に入ったのか、奥様はそこはかとなく乙女チックモード。
しかし、それを見た皆の間には、密かな緊張が走っていた。

 言っていいのか… いや…… しかし……

一瞬の沈黙の後、勇気あるオバちゃまがポツリ。

「あんた、それ、骨やで」
「‥‥‥え?」

 キィアアアアアアァアッッ!!

その小皿が頭蓋骨の一部であることを知るや、金切り声を上げて頭骨をぶん投げる奥様。

 うわぁああああぁああ!!!!

今度は、皆の悲鳴が上がった。

仲間のことより遺物の心配……!
ここまでくれば立派な発掘調査の補助員っす♪


ちなみに、葉脈みたいなのは血管の跡……



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