発掘現場へようこそ その2(こするぞ)


バイトを初めて間もない頃……。
ある日、せっせこ土器の破片を洗っていると、洗い甲斐のある土器達(やつら)にめぐりあった。
ちょっとこするだけで、ぶわぁと大量の泥が流れ落ち、破片も大ぶりで洗いやすい。
その上、土器が自体が溶けているわけではないので、安心してブラシでガシガシこすれて、エエ感じ。
鼻歌交じりで絶好調で洗いまくっていると、親切なオバサマが教えてくれた。

「それ、便瓶(べんがめ)よっ♪」

 いや〜〜んっ(大汗)
便瓶…… それすなわち、便所用の瓶。昔のおトイレである。
私が嬉々として洗いまくっていたのは、「う○こ」ちゃんのなれの果てだったのである!
その上、う○こちゃんは少々残ってたってOKらしいので、こんな頑張って洗う必要なかったのである(しかし、成分分析するよーな貴重な う○こ様にはほとんど巡り逢わなかった)。

次に、薄く削った木ぎれが次々に出てきた。
 おおう、木簡か!?
友人とブツブツ言いながら筆で丁寧に泥を落とす。何かが書いてあるようなないような…。
それにしては、単なる木片にしか見えないもののほうが圧倒的に多い。
 なんじゃこいつらは?
すると、通りがかった技師さんが教えてくれた。

「籌木(ちゅうぎ)ですねぇ〜。糞べらですよ〜」

 NOぉおおお〜〜ん。
要は昔のトイレットペーパー。
昔は紙なんかないから、木ぎれで「う○こ」をこそぎ落としていたそーな。
文字のように見えたのは、ブツの染みですかい?
そのくせ、使い道のなくなった木簡の末路…って場合もあるので、完全に油断するわけにもいかない。
 ブラボー、リサイクル!!

しかし、そうなると、こいつらと一緒にいっぱい出てきた箸……。
 もしや、君らも……(T_T)




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