変装 その1
私はいい歳こいて、化粧が出来ない。
ファンデーションをちょっとはたいただけで、トランプマンのように生っちろくなる(粉浮きまくり)。
そればかりか、口紅を付けただけで「今日、塗ってる?(←ファンデーション)」と聞かれるのだが、それって肌が粉っぽいってこと?
おかしい、際限なく脂っぽいのに…(いつも鼻先は光り輝いている)。
一番ショックだったのは、職場のおじさまの一言。
その日は、お偉いさんの接待係(お茶くみですな)を命じられていたため、一張羅のスーツをまとい、口紅もいつもより念入りに塗り塗り(すぐ取れるし)。
すると、前方からそのおじさまがやって来たので、いつものノリでパタパタ手を振るが、何故か無視。
あれ?…と思いながらも、さらにアピールすると、ちょこっと会釈してくれる。
「どーしたんすか?」
おーい、大丈夫かーーー?と手を振りながら近づくと、
「なんじゃっ!? ○○かっ!? 化粧なんかして色気づきやがって、なんじゃーー!??」と叫ばれた。
い……色気づき……??
いや、色気づくも何も、結構、いやかなり、いい歳なんすけどワシ……(T△T)。
(つーか、すぐに私って気付け!)
さておき、スーツを着るたびに「今日、何かあるの?」と尋ねられるのも考え物……(朝だけで、最高で10人に聞かれた)。
よほど、普段の私ぁ小汚ねぇ…ってことですかーーい!?
そういえば、オバサマ方も「そのスーツ、大切になさいね!」と虫に食われないよう心配してくれてたし……。うーむむ。
だーけど、綺麗なおべべは着てきたくないのよ、この職場…(いたいけな乙女をハシゴで屋上に登らせ、「落ちたら二階級特進ー!」と声援をくれるようなトコ。あまりシャレになってない)。
とか言って、綺麗な服なんて持ってないんだけどさ……。
ダイエーで季節はずれの商品(半額の半額…)を買い、翌年に着る(しかし、2〜3年しか保たない)…という、安物買いの銭失い的倹約生活を送る私。
これが、いざというとき本当に困る。
特に、結婚式!!
何来て行きゃいいの〜??……と悩んでいたら、女性の先輩がわざわざ服を選んでくれた。
うおーーー! なんや、らぼりー花柄ろまんちっくぅ〜(汗)
ワンピースなんて、保育園の頃以来、来たことないかも……。ごくり。
その上、バーゲンやのに「0」一個多いし〜(普通だって)。
しかし、ドキドキしつつも、清水の舞台からダイビング〜して購入。
で、化粧品のサンプルもいただき、ふふふ……完璧。
なのに…… いざとなったら、どうやってもトランプマン。
くそぉ、ファンデーションは、やめやめぇ!…ってわけで、多少何か塗っているように見せるため、日焼け止めを塗る。おお、これはいけている。
そして、「黒いのはパンダになる可能性大!」と言われて買った、初心者らしい透明のマスカラを塗り塗り……。
ふぉーーーー!! 目にしみるぞ!! 瞼ひっついたぞ! こんなん使えるかボケー!!
秒速で挫折。
日焼け止めプラス口紅……で私のメイクは完了。
もう、いい。勘弁してください。
あとは、頭も自分で編み編みして(妙に古くさい形)、ショールを掛けて完成(妙に肩が開いてるし)!!
うおお、ほとんど月影千種(ガラスの仮面の怪しい死神夫人みたいな先生)やないか!?
この黒いショールがいかんのか!? しかし、もうこれでいいわい〜!!(花柄やし不吉には見えまい)
そして…… 結婚式場。
打ち掛け姿の花嫁(友人)が入場する来賓をお上品なスマイルで出迎えている。
しかし…… 私が前に立った瞬間、奴は「ぅぶはっ……!!」と豪快に吹き出してくれた(失礼な)。
違う花嫁には、「今日は、女に見えるよ……!」と、力強く頷かれるし……。
うーむむ、成功しているのだろーか、私の正装???
くそう、こうなったら、ニューハーフさんよろしく化けてくれるわ!!(でも仮装はいや〜)
……ってわけで、誰か化粧教えてくで〜〜〜!
うーん、何の話だったのだ…
back