許すまじっ! その2


電車内での最大の敵…。

そう… それは痴漢!!

被害妄想、勘違い…… こっちだって、まずは一応考える。
無実のオジサンを犯罪者にするなんて、鬼畜な事は出来ません。

しかーし、それを良いことに、「偶然、ぶつかっちゃった」犯を繰り返す輩は、確実にいる!
同じ時刻の、同じ車両… 満員電車というほどでもないのに、尻にだけ、さわっ…。
邪魔を承知でリュックを背負ってみても、尻だけ さわっ…(ぶつかるならリュックに当たるよねぇ?)。
電車を降りていく人の流れに乗って、奴らは犯行に手を染める。

しかし、こちらも大人しく触られているわけではない。
連日続けば、「あのオヤジやな……」という目星は大体ついてくる(こんなマヌケは珍しいけど)。
ただ、あまりに微妙なタッチのため、騒ぐに騒げないだけなのである。
この「勘違いだったら申し訳ない」というお女性の優しさを逆手に取った犯行…… まずは顔面に裏拳かまして、その後、往復びんたの連打をあびせ、首根っこつかんで駅長室に連行してやらねば!

私が沸々とはらわた煮えくり返らせていることもしらず、我が危険感知センサーがチェックしたオヤジは、下車する駅に近づくと、ドアから遠い位置にわざわざ移動を始めた(オヤジが降りる駅もチェック済みよ、フフフ)。

 ほほ〜う。遠回りして、一体何するつもりだい…?

 もちろん、それは、お尻とすれ違うためよね〜〜(断定)。

私が待ちかまえているとも知らず、すぅ…と近づいてくるオヤジ。
そして、至近距離に近づいたその瞬間!

 私は、くわっ!!っと振り返り、思いっきりガンを飛ばしてやった。

ビクッとたじろぎながら、降りていくオヤジ。もちろん尻は無事である。
これでやめなければ、こっちにも考えがある……。
しかし、翌日以降、オヤジの姿は消え(隣の車両に移った)、痴漢もピタリとなくなった。
わが勝利である……(むなしいけど)。

ところが……
完全にほとぼりが冷めた頃。またまた、さわわっ…!!

 うきーーーーー!!(怒)

振り返ると、ドアから出ていくのは、やっぱりあのオヤジ!
くそう…… 油断したっ!!




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