ぽっとん


ぽっとん便所に落ちたら名前を変えなきゃいけない!!

 マジだろうか……!??
幼い頃、「○○ちゃんが落ちた〜!」とかいう話をよく聞いた。
同じ社宅のオバちゃま方が「あら、うちもよ」などと楽しげに話しているのである。
どんな危険な家々やねん!?と今になって思うが、幸い引っ越したての我が家は新築の団地に入ることが出来たのでセーフだった(うちの兄弟なら絶対誰か落ちてるよ…)。
オバちゃま方が「新しいワンピースがぁ!!(←ピアノの発表会だったらしい)」などと笑顔でブチ切れていたことを覚えている(結論=忙しいときほどよく落ちる…らしい)。
そんな中でも一番強烈に覚えているのは、友達のお姉ちゃんのお話である。
友達本人はまだ赤ん坊だったそうなので、どこまで真実かは不明であるが、その子も幼い時には同じ形式の社宅(平屋)に住んでいたらしい。

想像するだに恐ろしい話である……(リアルに想像しちゃダメよ)。
ある日、ぽっとん便所に滑り落ちたお姉ちゃん(当時4歳)。
危険なことに、その日の水位(ふ○にょう)は背伸びしてやっと顔が出せるほどの高さ。溜まりに溜まったその中で、お姉ちゃんは偶然にも踏み台となる石のような物の上に立つことが出来たという(そんなとこで溺れ死んだ日にゃあ、トイレの花子さんに化けても報われんがな……)。
想像を絶する臭いと暗闇の中で、お姉ちゃんが頭上にぽっかりと開いた出口を見上げていると、やっと家族がトイレに入ってきた。
赤ん坊の妹(友人)を連れたお母さんである。
お姉ちゃんは一生懸命に声を上げるが、お母さんは気づいてくれない。
そればかりか、顔に降ってきたのは妹のオシッコ……。
結局、それで黙っている間に、二人は出て行ってしまったという……(何ィ!?)。

そ……それで、よく無事だったな、お姉ちゃんっ!??
ドキドキする私に友人はしみじみと教えてくれた。
「偶然にもその日が、汲み取りの日で助かったんだよね……」
汲み取りのオジサンは、中から子供が出てきたのでかなりビックリしていたというが(そらそうやろ)、それ以前に、早よ気づいたれよ両親ーーっ!!(笑い話じゃなくなるやん)

数年後、私はこのショッキングな話を、マイシスターに詳し〜く話して聞かせた。
すると、妹は「落ちたお姉ちゃん = この私」と大幅に勘違いしたまま、友人達にしゃべりまくり……
結果、私は妹の友人達の間で「落ちた姉」で通っているのだという…(ぎゃー違ぁーう!)。
なんだか妹本人まで「姉ちゃんに酷いことをしてしまった…」なんて反省してるし……(寝惚けるな〜)。

ちなみに、私は「落ちそう」になったことしかない!!
(なんか小さい頃、片足宙ぶらりんで便器にしがみついてたそーな…… ←やっぱり例の平屋社宅で)



いやぁ、名前変えなくて済んで良かった……(^^;)



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