GGF(ぐれいと ぐらんど ふぁーざー) その3


爺様が引っ越したばかりの我が家(社宅の団地)に遊びに来た。
なかなか玄関から上がってこないなぁ…… と思っていると、急に、社宅中に火災などを知らせる緊急警報(サイレンっぽい音)が鳴り響いた。

「火事かっ!?」

母達と窓から顔を出し、周囲をチェックするがそんな様子はどこにもない。
とりあえず外に出てみよう…と玄関に行くと、爺様が火災報知器(壁にぽつねんとボタンだけある)の前に突っ立っている。

「……押しちゃった……」

 犯人は爺様だった――。

父親は早速職場に詫びを入れた上(隣家は気づいていない感じだったが)、「なんでそんなとこ触ったんだー!! もう何も触るなー!!」と怒り狂う(ケツの穴の小さい男だぜ… フッ)。

しかし、確かに、その警報ボタンには間違って触れることの無いようにと、わざわざ透明なプラスチックの蓋が付いているのである。
何故、爺様はわざわざそれを突き破ってまで、ボタンを押したのだろう…。

すると、爺様は……

「『押す』って書いてあったから、押したんだ〜」(力説)


う〜〜〜ん、確かに……(ボタンの表面に書いてあるよ…)



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