GGF(ぐれいと ぐらんど ふぁーざー) その4
中学生だったある日、父が職場から我が家に電話をかけてきた。
「うちに有二なんて奴いないよな?」
我が家の住所宛に、苗字は同じだが全く覚えのない下の名前の書かれたハガキが送られてきたというのである。
父の職場と社宅は同じ敷地内にある為か、そのハガキは職場の方に回され、父が確認を求められているらしい。
偶然、職場にはハガキの宛名人と同じ名前の人が存在する為、ハガキは一度、その人の元に回されることになった。
が、数日後、「うちじゃありません!」と、そのハガキはすげなく追い返され、舞い戻って来たのである。
もう一度、良く確認しろということで、ハガキを家に持って帰って来た父。
「差出人は誰なんよ?」と、母と私が覗き込むと、そこには……
―― ミスター G ――
みすたぁ、じぃ〜〜っ??
「じーちゃんからやん……」
あっさり断ずる母と私。
こんなお茶目な小技を効かすのは、あの人をおいて他にあるまい。
しかし、父は「差出人と文面」をまるきりチェックしてなかったことを棚に上げて、猛烈に吼える!
「けど、有二って誰じゃー!!」(怒)
「うーん。私と○(弟)と△(妹)の名前から一文字ずつ取ったんだろうねぇ……。『あ』と『り』と『じ』。で、有二?」
私達から発せられる「すぐに気付けよ…」光線を浴びながら、爺様に確認の電話を入れる父……。
電話越しに聞こえる御機嫌な声に向かい、「いらんことするなー!!」とブチ切れまくっていた。
貴方の父親のしたことよん…(馴れろよ)
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