(今回ちょっと長め。メルマガでは前後編でお送りしました)
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▼ ペルセウス
白馬の王子様とはボクのことさっ♪
髪の毛の一本一本が蛇で、見た者は恐ろしさのあまり石に変わってしまうという怪物「メドゥーサ」を退治したことで有名な英雄。ゼウスと人間の女ダナエーの息子(出生のヒ・ミ・ツはダナエーの回を見てね〜!)。
ある祝いの席で、貧乏で贈り物を用意出来ず、バカにされたペルセウス。ならば贈り物として「メドゥーサの首をとってきてやるっ!!」と、とんでもない約束をしてしまった。ペルセウスの母を妻にと望む国王が、邪魔な息子を追い払うために仕組んだワナにはまったのである。
そうとは知らないペルセウスは、阿呆な約束をしてしまったと、ひたすら途方に暮れていた。
「だいたい何処におんねん、メドゥーサって〜!?」
そんな迷えるペルセウスを救うべく現れたのが、知の女神アテナと神々の伝令役であるヘルメス神。
アテナは「石にならないよう、これにメドゥーサを映して倒しなさい」と鏡のように磨いた盾を、ヘルメスは切れ味抜群の鎌の形をした剣をペルセウスに与え、こう助言した(※1)。
「灰色のババアと、西のニンフのとこに行ってみー」
灰色の老婆…こと「グライアイ」は生まれたときから白髪で年老いていたという、なんだか不憫な三人姉妹。一つしかない目玉と歯を三人でかわるがわる使っている(その上、不便…)。
メドゥーサの居所は彼女達しか知らない(親戚らしい)。
ペルセウスは、その一つしかない大切な目玉をとり上げると、「おら、ちゃきちゃき吐かねぇと、この目玉つぶしちまうぞ!」と脅迫し、まんまとメドゥーサの居所を聞き出したのである(それでも英雄か…)。
続いてペルセウスは、西のニンフ(妖精)…こと美人三姉妹「ヘスペリデス」のもとへ。
「一緒に踊りましょう〜♪」と陽気に誘う三姉妹に(※2)、ペルセウスは「退治が済んだら踊ってあげるよ、美しい方〜♪」と約束し、メドゥーサ退治に必要なアイテム……翼の付いたサンダル、首を入れるための袋、かぶった者の姿を消す「闇の帽子」……をゲットするのであった(※3 ナンパ師のような手口じゃ)。
準備万端。ペルセウスはメドゥーサのいる島に到着した。周囲は彫刻のように石に変えられた人間だらけ!
そんな中、ペルセウスは、のんきにお昼寝中の怪物「ゴルゴン三姉妹」を発見する(メドゥーサは「ゴルゴン」という化け物三姉妹の末っ子 ※4)
チャンース! 寝込みを襲うのだ!!(オイ)
ペルセウスはメドゥーサを見ないように、鏡のように磨き込んだ盾にメドゥーサの姿を映しながら近づくと、勇気を奮い起こし、一刀両断にその首をバッサリ!!
血しぶきとともに、切り口から、翼をもった白馬ペガサスと、黄金の剣を持った戦士クリュサオルが飛び出した!(※5)
ペルセウスはメドゥーサの首をゲットするや、ペガサスに飛び乗り、ダッシュで逃走!!(※6)
ゴルゴン(姉)達は怒り狂って犯人を捜したが、姿の見えなくなる「闇の帽子」をかぶったペルセウスを見つけることは出来なかった…。
見事、使命を果たしたペルセウス。
約束通り、西のニンフ(妖精)ことヘスペリデス達と仲良く踊り、ついでに、彼女達の父で天を支える巨人アトラスを石に変えて(※7)、帰国の途についた…。
しかーし、ペルセウスの活躍は終わらない!
なんと帰り道、ペルセウスは岩場に裸でくくりつけられている美女を発見したのである!!(その上、一目みてフォーリン・ラヴ♪)
その美女…アンドロメダ王女は、海のニンフ(妖精)達を鎮めるために生け贄として捧げられ、今まさに怪物に食われようとしている所だった(詳しくはアンドロメダの回で〜)。
ペガサスにまたがり颯爽と現れたペルセウスは、手に入れたばかりのメドゥーサの首をかかげ、あっさり怪物を石に変えて退治。もちろん、アンドロメダ姫もうっとり…。
こうして、ちゃっかり新妻(アンドロメダ)までゲットしたペルセウスは、帰国すると、母ダナエーにちょっかいを出していた王を石に変え、天誅!(ダナエーの回参照ね!)
後に自分の国を得て、アンドロメダと幸せに暮らしましたとさ…(おお、珍しくハッピーエンド♪)。
ちなみに、取り扱い要注意のメドゥーサの首は、アテナ女神に捧げられ、彼女の持つ盾の中央に飾られたんだそーな(※8 メドゥーサ、踏んだり蹴ったり…)。
※1 実はアテナが、元は美女だったメドゥーサを怪物に変えたという因縁がある。
※2 うっかり誘いにのると、楽しさで旅の目的を忘れてしまうらしい。詳しくは「ヘスペリデス」の回参照〜。
※3 ペルセウスが得たアイテムについては諸説あり。
(サンダルはヘルメスから、盾や剣はヘスペリデスから…等)
※4 ただし、姉二人は不死の体を持っているため、倒せるのはメドゥーサだけ。
※5 パパはポセイドン!
メドゥーサが、まだビュティホーな乙女だった頃、見初められたらしい…(アテナに怪物に変えられる以前ね)。
※6 「翼付きサンダル」を履いて逃げた…説の方がメジャーかも…。
※7 「アトラス」の回参照〜。
※8 別バージョンでは、アテナ神に捧げられたのは、何故かメドゥーサの顔が灼き付いてしまった、鏡のような盾。
メドゥーサの首は物騒なので海に捨てられ、波に流されてあちこち巡り、そこで珊瑚(さんご)を作っているらしい…。
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