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▼ ニオベー

 ママのカバー! その2(…って、こいつがママ本人)


 とある国の女王ニオベーは、美しいがごう慢で高飛車な女だった。
 彼女は誰もがうらやむような自慢の種を数多くもっていたが(※1)、最も誇りに思っていたのは、かわいい子供達、7人の息子と7人の娘達のことであった(たしかに、見事な産みっぷり…)。

 おごり高ぶった彼女は、太陽神アポロンと月の女神アルテミス、そして二人の母であるレートーを祝う祭りでぶちかましたのである。
「二人しか子供がいない女の祭りなんておやめ! それより、この私を崇拝するのよっ!」なーんて…(あ〜あ、やっちゃったよ…)。

 当然ながら、レートーは大憤慨。そして、ご想像通り、復讐部隊(?)アポロン&アルテミスは発進した…!

 手始めに、7人の息子達に次々と矢を放つアポロン。
 国王である夫は、天罰じゃ〜と恐れおののき、自殺(早っ)。
 しかし、一気に息子達を失ったニオベーは、悲しみの余り逆ギレしたらしい。「私には、まだ7人も娘がいるのよっ!」と、天に向かって言い放つ。
 …と、同時に、アルテミスの矢が娘達を襲った…!

 次々と倒れる娘達。さすがのニオベーも、最後の一人をかばうように抱きしめ叫んだ。
「お願いよっ! 一番下のこの子だけは助けてっ!!」
 しかし、言い終わらぬうちに、最後の一人もニオベーの腕の中で息を引き取る…。

 茫然自失のニオベー。
 涙だけは止まることなく流れ落ちるものの、座り込んだまま石像のように動かない…。いつの間にか…、彼女は本当に石になってしまっていたのである…。

 一陣の風に運ばれて故郷の山に運ばれていった彼女は、涙のように水をしたたらせ続ける大きな岩になったという…。


※1 自慢の種。まずは血統…。
   父はゼウスの息子タンタロス(人間だが、神々の仲間入りをゆるされていた。しかし、神々の食べ物を人間界で売り払ったり等、ろくなことをしなかった。最終的には地獄送り…。詳しくは、いずれまた〜)、母は女神ディオーネー(…らしい。ティターン神族でアフロディテの母ともいわれている)であった。
 他にも、立派な国を造った王である夫、自分自身の美しさ、父からもらった領地… 等々。

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