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▼ タナトス

 鈍くさいのもご愛敬!?


 死を知らせる神。夜の女神ニュクスの息子で、眠りの神ヒュプノスの兄(双子らしい ※1)

 タナトスは、背に翼をもった髭の長いおじさま(老人?)で、鎌ではなく「剣」を携えている。
 鉄のような心で憐れみ持たぬ…と言われているが、意外や仕事はと〜っても丁寧。
 寿命が切れた人間を見つけだすと、まずは、その髪を一房切り取る。
 そして、持ち帰った髪をハデスに献上した後、その人間を死者の国へと連れていくのである(お役所仕事のようだわ… ※2)。

 お世話になりたくない神様の代表格……なんて言われても、もくもくと、ひたすらくそ真面目に任務を遂行するタナトス。
 しかし、人間にとってはやはり迷惑で、たびたび仕事の妨害を受けている。

 ある王妃(※3)を迎えに行ったときは、王の友人であるヘラクレスにねじ伏せられて、結局、婦人を返すことになったし…。
 頭の切れる男・シシュポス(※4)を迎えに行った時には、騙され、縛られたあげく、土牢に放り込まれた(その為、しばらくの間、死人が出なくなり、人間大喜び!)

 彼の不幸は人間の幸福♪
 その上、情けな〜い、鈍くさ〜いイメージまで植え付けられ、もはや不憫としか言いようがないタナトス(相手が悪すぎただけなのにぃ… TT)。
 それでも、トロイヤ戦争の時には、弟・ヒュプノスとともに勇敢な英雄の遺体を故郷に運んだり…とちょびっと活躍もしている(←ここ強調!)。



 ※1 夜の女神ニュクス、眠りの神ヒュプノスについては、いずれまた〜!

 ※2 死者の魂を導くのは、本来、ヘルメスの役目らしい(←たぶん ^^;)。
    タナトスがシシュポスを迎えに行ったのは、ゼウスが嫌がらせとして、ヘルメスより格下のタナトスを差し向けたから…なんて話もある。

※3 病で死期が近くなった王に「お前の為に進んで死ぬ者がいるのなら、身代わりにしても良い」との神託が下ったため、若妻が身代わりとなって自ら死を選んだ。
   偶然、館を訪れていたヘラクレスがそれを知って、妻を取り返した。

※4 ゼウスの怒りを買って地獄行きになったシシュポスの回参照〜。


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