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▼ ケンタウロス
酒を飲んだら、集団暴走〜〜!!(あ、パトカー来た…)
頭から腰までが人間で、その下は馬の胴体を持つ、半人半馬の怪物。どーも肉食らしい。
山野に住まい、乱暴で好色…なイメージが強いケンタウロス族であるが、彼らが誕生したいきさつを知ると、なんとなくそうなるのも納得してしまう……。
…というのも、彼らの生みの親が神をも恐れぬトンデモおやじ、イクシーオーン王だからである(※1)。
このイクシーオーン、あろうことか神々の女王ヘラ(そう、あの怖いオネエサマ)に横恋慕し、誘拐を企てたのである。
結局、ゼウスの策略にはまり、ネペレーという名の「雲で造られたヘラのそっくりさん」をさらっていったのだが、この時、イクシーオーンとネペレーの間に生まれたのがケンタウロス……というわけ(何故、馬?)。
性格破綻パパに中身空っぽママの素質(!?)を受け継いだ彼らは、手っ取り早くその辺の馬と交わって、一族を増やしていったそーな…(お相手は、馬でも人間でもOKなのね… ^^;)。
しかぁし、増えるのが早いと減るのも早い??
他の怪物達と異なり、人間とも交流を持っていたケンタウロス達は、ある時、人間達の結婚式に招待された。
ところが、慣れない酒に酔っぱらったケンタウロス達は、花嫁や女達に乱暴をはたらこうとしてしまう。
これが原因で、大々的な戦いが起こり、ケンタウロス達は敗退。多くの仲間を失った上に、住んでいた地から追い出されてしまったのである。
そして…… 彼らを襲う次なる不幸も酒がらみ。
ケンタウロス族のポロスが英雄ヘラクレスを家でもてなしていた時のこと…。
ポロスが止めるのも聞かず、ヘラクレスがケンタウロス達の共有物である酒を勝手に飲んでしまったのである。
酒の匂いに気づいたケンタウロス達は、ヘラクレスから酒を取り返そうと襲いかかるが、反対にボロ負け。
ヘラクレスの放つ猛毒の矢の餌食になり次々御昇天〜。
ケンタウロス達は必死になって、一族の中でも最も賢いケイローン(有名人っす ※2)の住む洞穴へと逃げ込んだ。
というのも、ケイローンは、太陽神アポロンと月の女神アルテミスから教えをうけ、彼自身も多くの英雄達を教育している賢者で、ヘラクレスも その教え子の一人だったからである。
ところが…… 運悪く、流れ矢がケイローンに当たってしまい、ヘラクレスが我に返った時には後の祭り。
ケイローンは不死の体を持っていた為、死ぬことも出来ずに、もだえ苦しみ、とうとう不死の力を放棄する。
その上、毒矢の威力に驚き眺めていたポロスも、誤って矢に触れてしまい、これまた御昇天……。
残ったケンタウロス達はちりぢりになって各地へ消えていった(疫病神すかヘラクレス? ※3)。
さておき、ケイローンは、その死を悼(いた)んだゼウスによって、天へと上げられ、射手座となり…。
ついでに、ポロスもケンタウロス座となってお空で輝いている……。
※1 イクシーオーンの回参照。
後に、冥界におとされ、グルんグルん回転する火の輪にくくりつけられて、ムチでビシビシしばかれ続けるという罰を受けることになる。
※2 射手座の回参照〜。
出来が良すぎて、ケンタウロスの中でも異色のケイローン。
というのも、実は彼は、先代の天界の王クロノスと川の妖精の子供だから…(出自が違うのねん)。
浮気の発覚を恐れたクロノスが、馬に変身して交わったため、半人半馬になったらしい…。
※3 この後も、ヘラクレスとケンタウロスの因縁は終わらず、ヘラクレスの死の原因をケンタウロスの一人がつくったりしている…(詳細はまた、ヘラクレスの回にて〜)。
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