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▼ アルクメーネー
美しさは罪〜 その4
英雄ヘラクレスの母。ティリュンス王アムピトリュオンの妻(夫婦そろってペルセウスの孫 ※1)。
輝くような美しさを持ち、賢く貞淑な美女アルクメーネー ……と、この書き出し部分で今後の展開を予想した貴方。大当たりです。
この評判の美女をあの御方がほうっておくわけありません。そう、狙われた人妻! もちろん犯人は天界の光源氏こと主神ゼウスです(はい、いつもの展開)。
しかし、今回のターゲット・アルクメーネーは、主人以外の男性とは同室すらしないという貞操堅固な御方。神様だろうが何だろうが、浮気なんてもってのほか。度重なるゼウスの誘いにだって応じません。
そこで、一計を案じたスケベ親父。なんと、
「今帰ったよ、アルクメーネー!」…と、戦で留守にしていた旦那アムピトリュオンに変身しての御登場〜。
それも、念願のアルクメーネーと過ごす一夜…ということで、夜の長さを通常の3倍に引き延ばすという手の込みよう(マメだわ〜)。
翌日、戦から帰ってきた本物の旦那様とも夜を共にしたアルクメーネーは、ゼウスの子とアムピトリュオンの子を同時に身ごもることとなったのだった(有り得るの??)。
一方…… やっとのことで帰ってきたのに、「もうその話は聞いたわよ〜」なんて、意外に素っ気ない妻の態度を不思議に思ったアムピトリュオンは、予言者から真実を聞き出して、大いに納得していた…(するなよ ※3)。
こうして……
ゼウスの子・ヘラクレスとアムピトリュオンの子・イーピクレスという双子の男の子が元気に誕生することとなる…… んだけど、詳しくは「ヘラクレスの誕生」につづく〜!
※1 ペルセウスの回参照〜(蛇の髪を持つ怪物メドゥーサの首を取ったことで有名)。
ペルセウスの父親ってゼウスだったと思うんだけど……。
曾孫に手ぇ出すとは…あのスケベ親父…(滝汗)
※2 太陽はしばし沈んだまま、月もゆっくり進むように命じられた。
さらに、夜を引き延ばしたことがばれないように、人々に楽しい夢を見せておくという、用意周到さ。
ああ… 浮気って大変。
※3 アムピトリュオンはアルクメーネーの身内のかたきを取るための戦いに出ており、彼女自身も復讐が終わるまでは「私には触れないで」と処女の誓いを立てていた。
戦を終え、やっと本当の夫婦に…と思ったら、ゼウスに先を越されるなんて……、悲惨すぎるぞアムピトリュオン。事件後は、ゼウスの嫉妬を恐れ、アルクメーネーと床を共にしなかったともいうし…。
それでも、妻の不貞を恨むこともなく、ゼウスにだまし討ちさせるしかなかった妻の貞淑さを誇りに思い、どちらの息子も平等に愛しんだそーな。ええ奴っちゃ…(T▽T)。
凱旋してきた旦那を見て、「じゃあ、昨日のは一体、誰!?」と取り乱すアルクメーネーを、旦那が優しく慰めるバージョンもあり。
反対に、怒り狂って、アルクメーネーを焼き殺そうとするバージョンもあり(えらい違うやん!)。
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