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▼ コロニス
物好き王女??(そんな短絡的なところも好きなの……)
ギリシア青年の憧れを体現している…割には、女運のない(つーか、よくフラれる)神アポロン。
しかし、多芸多才でオマケに美形、光り輝く太陽神さまが敗戦ばかり重ねている訳がない。
今回ご紹介のコロニスちゃんは、美しい上に性格もバッチリな、とある国の王女様。何より、既にアポロンの子を身籠もっている彼女は、キザで寂しん坊のアポロンを心から愛していた(←ここ重要)。
ところが、珍しく相思相愛で全てが順調〜なのかと思いきや、アポロンは予言や神託を与える仕事が大忙しで、会いに行く暇さえない(ゼウスなら、仕事さぼって行くで…)。
そこで、アポロンは人間の言葉を話すことが出来る純白のカラスを使いにやって、日々、熱くてクサ〜い思いのたけを伝えることにした。
そんなある日、いつものようにカラスがコロニスの元を訪ねると、なななんと! 見てしまったのですよ、コロニスが若い男と二人きりで親しげに話している姿を……(※1)。
「ふふふ不埒千万、ふしだらなー!! ご主人様というものがありながらあの娘ェ!(あ〜ぁああ… ご主人様、またしても連敗記録更新……)」
カラスはすぐさま飛んで帰り、コロニスの不義をアポロンに報告。
アポロンのショックは凄まじく、可愛さ余って憎さ百倍、怒りにまかせてコロニスのいる方角へ矢を放った(※2)。
もちろん、矢は過たずコロニスの胸を貫き…… コロニスは息絶える直前にこう叫んだ。
「アポロン様…… 愛していますわ。こうなったことを恨みはしません。ただ、お腹にいる貴方の子を産んでから死にたかった……」
これを聞いて、さすがに我に返ったアポロン。
慌ててコロニスの元に舞い降りたが、冷たくなってゆくコロニスを抱きしめることしか出来ない……。
コロニスの言い分も聞かず、確かめもせず、自分はなんてことを……!!
アポロンは火に焼かれて葬られるコロニスの胎内から、赤ん坊を取り出し、それを賢人として名高いケンタウロスのケイローンに預け、養育させた。
その赤子こそ、後にブラックジャックもゴメンナサイな医術の神となるアスクレピオースである(次回参照)。
一方、悲劇を招くような報告をしたカラスは、罰として、美しかった声を奪われ、永遠にコロニスの喪に服するように…と、真っ黒な姿に変えられたという(で、夜空にはりつけにされた姿がカラス座だそーな)。
※1 浮気はカラスの完全な誤解で、相手は幼なじみの友人、もしくは親戚だった…という説と、とっととアポロンふって他の男と結婚しちゃったよ…説まで、いろいろありんす。 今回は、「私ってば潔白よ!」バージョンです〜。
※2 コロニスを死に追いやったのはアポロンではなくアルテミスという説もアリ。
「神の愛を踏みにじるなんて!!」とブチ切れた月の女神アルテミス(アポロンの姉妹)がコロニスの国中に疫病の矢をばらまいたとか…、アポロン自身がアルテミスに「仕返ししてくれ…」と頼んだとかいわれてる。
で、アルテミスの仕返しの凄まじさに、アポロンも我に返ったそーな。
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