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▼ アクタイオン
不慮の事故だってばー!(でれ〜)
アクタイオンは、半人半馬の賢人ケイローンに弓矢を学んだ狩りの名人(※1)。
ある日、いつものようにたくさんの猟犬を従えて、鹿狩りに出たアクタイオン。
アク「いや〜、ちょっち疲れたし、休憩、休憩〜!」
偶然見つけたのは、森の奥にある美しい泉。
ところが、ここでアクタイオンは、見てはならないものを見てしまったのである!
乙女の笑いさざめく声に、きらめく水しぶき……。
その先にいるのは、なんと水浴びを楽しむ月と狩りの女神アルテミス様御一行。
この泉、実はアルテミスのお気に入りの沐浴場所だったのである。
美しいアルテミスの裸身に、思わず釘付けのアクタイオン。
「キャァアアア!! 男よー!!」とニンフ達に気付かれたときには、もはや手遅れ。
恥ずかしさと怒りで真っ赤になったアルテミスがアクタイオンを睨み付けていた(※2)。
アル「アルテミスの裸を見たと言いふらすが良いわ! 出来るのならね!」(いや、誰もそんなこと言ってないって…… 滝汗)。
それと同時に、アクタイオンの頭からは角が……!
みるみる鹿へと変わっていくアクタイオン。助けを呼ぶ叫びも、もはや人間のものではない……。
そんな不幸のどん底に落ちた彼の元、走り寄って来たのは可愛がっていた猟犬たち……。
アク「ああ、お前達! 助けに来てくれたんだな!…… って、ちょっと待て! 俺だってば、俺ーーー!!」
嗚呼、飼い犬になんとやら……。
哀れ、アクタイオンは愛犬たちに噛み殺されてご臨終遊ばしたのであった(運のない……)。
教訓――。
覗くなら、アフロディテ……。(「あまりの美しさに目が離せなかったのね坊や、ああん罪なワ・タ・シ……」とか言って許してくれそう……)
また、アクタイオンの一番のお気に入りだった小さくて賢い犬は、「獲物仕留めたよ〜! 早く褒めてよ御主人さま〜♪」と、帰らぬアクタイオンをひたすら待ち続け、ついには弱って息絶えた。
哀れに思ったゼウスが、この犬を天に上げたのが「こいぬ座」だそーである(※3)。
※1 アクタイオンは、人間に養蜂を伝えたアリスタイオス(アポロンの子)の息子。
テーバイ王のカドモスの孫でもある(この人の子孫、不幸続き)。
(アリスタイオスとカドモスについてはまた〜!)
ケイローンについては、射手座の回参照〜!
※2 裸身のアルテミスを隠すべく、ニンフ達が壁を作ったが、アルテミスは皆より頭一つ背が高く、隠しきれなかったとか……。
※3 「こいぬ座」となった犬は、アクタイオンの愛犬の他にも、オリオンの猟犬とする説等があります。
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