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▼ アリスタイオス

 愛するハニーを取り戻せ!


 養蜂の神(人間にハチの飼い方、蜜の取り方を伝えた)。太陽神アポロンと水のニンフ(精霊)の息子(※1)。
 
 神の血筋のくせに、細々と養蜂で生計を立てているアリスタイオス(牧夫もしてるらしいゾ)。
 ある日、いつものようにミツバチ達の様子を見に行くと、どういうわけか愛しいハチ達がことごとく全滅しているではないか!

 一体、何が起こってーーん?!(ぎゃーーー!!)

 途方に暮れて、水のニンフである母に泣きつくアリスタイオス。
 すると、母は 「原因? ハチおたくのアンタに解らんことが、私にわかるかいな…。あ、そやわ! なら、プロテウスの爺さんに聞いてみるとええわ!」と、のたまった。

 プロテウスは「海の老人」とも呼ばれる海神で、過去・現在・未来のあらゆることを知っている(※2)。ただし、かなりの頑固者らしく、答えを聞き出すにはそれ相応の手段を使わねばならない……。

 早速、母に教えられたとおり、プロテウスがお昼寝に訪れるという洞窟で待ち伏せるアリスタイオス。そして、プロテウスが現れるや、いきなり鎖でふん縛り、締め上げるっ!(結局、脅迫かい!?)。

 プロテウスは千変万化の変身能力を使い、アリスタイオスを脅し逃れようと試みるが、全ては幻影であることをあらかじめ教えられていたアリスタイオスは鎖を放すことなく、結局、逃亡失敗。
 プロテウスは不機嫌そうに「ミツバチ全滅の真相」を語りだした。

プ「お前が一時ちょっかい出しとったエウリュデュケって姉ちゃんおるじゃろが! 彼女の友達のニンフ達が、お前に復讐しておるんじゃよ! お前のせいでエウリュデュケが死んだと思ってな!」

 エウリュデュケとは楽人オルフェウスの奥さんで(※3 オルフェウスが冥界まで取り返しに行った愛妻ね!)、横恋慕して追いかけてくるアリスタイオスから逃れている最中に、毒蛇に噛まれて命を落としたのである。

 プロテウスは、ニンフ達の怒りを解くべく、祭壇を作り生け贄の牛を捧げるように…、そして、エウリュデュケの供養をするように…と指示すると、最後に、
「9日たったら、生け贄の牛の死骸を見てみるがよい……」と告げたのである。

 アリスタイオスはプロテウスの助言を忠実に実行し、9日間後、言われたとおりに牛の死骸を確認した。
 すると……! なんと一匹の牛の死骸の中にハチが巣を作っているではないか!!(ハエじゃないよ!)

「ああん! ハニーーーーぃぃん♪」

 こうして見事、アリスタイオスは愛しいハニー(!)を取り戻したのであった……!


 ※1 先週紹介の、アクタイオンの父でもある。

 ※2 ポセイドンのお気に入りで、アザラシの番を任されている。
    ポセイドンの息子説もある。

 ※3 オルフェウスの回参照〜!


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