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▼ メラムプース
子孫はドクタードリトル!?
予言の力を授けられた最初の人間。
何かの力を授ける…というと、ついつい、スケベ主神達が女の子を口説き落とすために「エルメスでもヘルメスでも買ったるで〜」なノリで与えたのでは?と邪推してしまうのだが(私だけか…)、今回は少々違う(第一、メラムプースは男やし… ※1)。
事の起こりは、メラムプースが「蛇の子供達」を助けてやった事に始まる。
親蛇を殺され、木の洞の中に残された子蛇達を不憫に思い、彼が大切に育ててやったのである(とりあえず、は虫類は子育てしないのでは…ってことは黙殺)。
そんなある日、メラムプースが木陰で居眠りしていると、ひやり…と冷たいものが耳に触れた。子蛇が彼の耳を舐めたのである。
そして、メラムプースが目を覚ますと、なんと! 鳥や動物たちの声が理解できるではないか!
これぞ、蛇の恩返し〜!……という訳で、メラムプースはこの能力によって得た知識のおかげで未来の出来事を予言できるようになった。
たとえば、メラムプースの弟が、嫁取りの相談で訪れた時のこと……。
弟の愛する人の父親は「娘を嫁に欲しければ、○×さんのところの牛を結納の品として持ってこい」と無茶な条件を突きつけてきたという(それって泥棒やん ※2)。
「フッ… 兄ちゃんに、まかせろや……」
メラムプースは愛する弟のため、早速、○×さんの牛をいただきに出向いた。
そして、あっけなく牛泥棒として捕まった……(予言者!?)。
1年間、牢屋につながれることとなったメラムプース。
もうすぐ1年が経とうというある夜……。どこからか小さな声が聞こえてきた。
「アハハー! ここもほとんど食べ尽くしちゃったね〜」
「だね〜、そろそろ崩れ落ちるね〜! 次、どこいく〜?」
メラムプースは青ざめた。
今の会話は、材木を食い尽くしたシロアリ達のもの。もうすぐこの建物は倒壊するので、次のエサ場にお引っ越しをしよう…という内容であった。
メラムプースは、ここから出してくれ…と看守らに頼み、彼らにも避難するように忠告した。
幸いにも看守達はメラムプースの言葉を信じてくれたので、彼らは間一髪で難を逃れ、崩れ落ちる屋根の下敷きにならずにすんだ……。
これにより、メラムプースは皆の尊敬を受けるとともに、褒美&牛を与えられた。
でもって、弟の恋も成就させ、予言者として崇められるようになっていったんだそーな。
※1 親交のあったアポロンやデュオニュソスから与えられた…とする説もあるらしい(が、よく知らない…。申し訳ないです ^^;)。
※2 ○×さん→ テッサリアのピュラコスという名(どうも王っぽい?)。
心の広い(?)○×さんは、1年の刑期を終えれば牛を与えてやるつもりであったらしい。
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