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▼ アウトリュコス
やっぱり二世は、詰めが甘い!?
嘘と盗みの名人!
伝令・泥棒の神ヘルメスと人間の女の息子(※1)。
父であるヘルメスを信奉し、嘘と盗みに長けたアウトリュコス。
盗みのテクニックもバッチリな上、「盗んだ物の姿や形を変えることが出来る」という能力を授けられた彼は、その力を最大限に発揮して、他人様の家畜や様々なものを盗み放題、取り放題。
これで、義賊だったりすると大衆受けもするのだが、性格的にも今ひとつ??
なんとなく、小ずる〜い、小悪党なイメージがしてしまうのだ(ごっつぅ私見)。
と、いうのも、アフターフォローがよろしくない(これまた私見!)。
しっぽを現さずに盗みを働くものだから、関係のない無実の者が、下手人として捕らえられてしまうのだ。
例えば、英雄のヘラクレスも、そんな被害にあった一人(※2)。
とある王の牛を盗んだと疑われた彼は、最後には殺人事件まで起こしちゃったりしている(まぁ、ヘラクレスの周囲は常に流血沙汰なんだけど……)。
ここは、かの有名な大泥棒を見習って「ルパン参上〜」くらいのメモ書きを残しておかなければなるまいっ!!(無理だって)
しかぁし、そんなアウトリュコスも、ついに観念する時が来る!
アウトリュコスの盗みを見破ったその相手は、とっつあん……ではなく、シーシュポスという、これまたずる賢くて有名な王様(※3 神々を手玉に取るくらい頭が回る為、憎まれて地獄行き〜になったブラボーな御方)。
このシーシュポスの元から、家畜を盗み出したアウトリュコス。
いつもの通り、家畜達の姿を別のものに変えてしまって、お仕事完了。……のはずだったのだが、今回はすぐさま「犯人はお前だ!」と目を付けられてしまった。
用心深いシーシュポスは、予め泥棒対策として、自分の家畜の蹄に傷を付けて、足跡に特徴が残るようにしておいたのだ。つーわけで……
シ「やいやいやい、この足跡をよーっく見ろい! 地面に残った『シーシュポス印』、この家畜が俺のものだという、何よりの証拠でい!!」(金さん風にヨロシク)
……とかなんとか、言い負かされて(負けるなよ)、罪を白状させられてしまったのである(本当に、嘘の名人なのか?)。
そして、その償いとして、アウトリュコスは娘のアンティクレイア(※人妻)を、一晩シシュポスに差し出すはめになってしまったのだ。
そのせいで、後にアンティクレイアの産んだ赤ん坊は、シーシュポスの子供ではないかと疑われ……(なんてこったい)。
お祖父ちゃんであるアウトリュコスは、その赤ん坊に「オデュッセウス」と名付けた。
その名の意味は「私は憎む」とか「私は怒る」。
おいおい、怒りたいのはこっちのほうだよ〜〜!!……と、親族一同、内心 突っ込んでいたに違いない……。
ちなみに、成長した孫のオデュッセウスは、後に知将として有名な英雄に……。
トロイア戦争で「トロイの木馬」作戦を立案したのも彼だったりします!
(てなわけで、いつか紹介しますんで、名前覚えておいて下さいね〜!)
※1 母親である王女・キオネに関しては、前回参照〜!
※2 「ヘラクレス(その17)」参照〜!
※3 「シーシュポス」「名物スポットにいらっしゃ〜い♪(その13)」参照〜。
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