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▼ テティス
清く優しく美しく〜!(面倒見NO.1)
ネーレーイスと呼ばれる海の精霊(ニンフ)の一人で、海の女神(※1)。
トロイア戦争で有名な勇者アキレウスの母。
ギリ神の女神達といえば、ワガママいっぱいの女王様タイプが勢ぞろいだが、今回ご紹介のテティスはある意味、異色!?
母性に満ちた温かくて優し〜い女神様なのである。
困った人は放っておけない性格らしく、人助けのエピソードも多いというから素晴らしひ!
彼女が保母さんや看護婦さんだったら最高〜♪…てなもんである(意味不明)。
例えば、醜いという理由で親に捨てられた鍛冶の神ヘパイストス(※2)を保護して大切に育ててやったり、酒の神であるディオニュソスが、とある王に追われて海に逃げ込んだ時もかくまってやったりしている。
その上、このテティス、心だけでなく容姿も大変に美しい女神だったりする。
そんな一粒で二度美味しい(?)美女を「あの方々」が放って置くわけがない!(思い当たる方が多すぎる?)
主神ゼウスと海神ポセイドンというオリュムポス二大巨頭が、彼女を妻にと望んだのである。
しか〜し、それを妨げたのは一つの予言だった。
「テティスの産む子供は、必ずや その父よりも偉大になるであろう……(※3)」
その予言を知った二神は、泣く泣くテティスを諦めたのである。
もしかすると、自分達が下剋上(父親を倒した)によって神界を手に入れたことを思い出したのかもしれない……(※4)。
ゼウスは、自分達を超える神が現れることを恐れ、テティスを神ではなく、人間に嫁がせることに決めたのであった(理性がスケベ心に勝つとは珍しい……)。
そして、夫として選ばれたのは、ペーレウスという名の人間の王――。
しかし、それにはテティスが納得しなかった。
結婚なんて重大事、どこの誰とも知れぬ…それも寿命に限りのある「人間」に、いきなり嫁げと言われてもねぇ……。
ところが、ペーレウスは頑張った!
逃げまくるテティスを追いかけ回し、ついには、洞窟へと追いつめて捕らえることに成功したのである(よけい嫌われないか?)。
しかし、実はここからが本当の勝負所。
テティスには父親譲りの変身能力があり、猛獣や怪物、はては炎や水にまで変身し、ペーレウスから逃れようと奮闘したのである。
恐れて手をゆるめればテティスの逃げ切り勝利…… のはずだったのだが、予め賢者・ケイローン(※5)の助言を受けていたペーレウスは、最後までテティスを放すことはなかった。
ペ「炎に焼き尽くされようと、君を離さないよ…… キラキラキラ」
テ「本当ね? アナタ…… うるる〜ん」(※ 背景はバラ)
……と、なったかどうかは不明だが(オイ)、とにかく、テティスはペーレウスとの婚姻を承諾し、盛大な結婚式が挙げられることとなったのであ〜る!(パフパフ、ドンドーン♪ ←注:ファンファーレ)
こうして――
二人の結婚式には全ての神々が呼ばれ……大盛り上がり! …となるはずだったが、(故意か過失か?)たった一人、不和の女神エリスを招かなかったが為に、とんだ騒動が起きてしまうのだった(※6)。
怒ったエリスが「最も美しい方へ」と記した黄金のリンゴを式場に投げ込み、プライドの高い女神達が「それは私宛に来たものよー!」と争いだしたのである(※7 もちろん、この争いにテティスは参加しておりません〜。が、普通、新婦に進呈しない? −−;)。
この争いは人間界をも巻き込み、トロイア戦争を引き起こすこととなるのだが、後に産まれるテティスの息子・アキレウスは、このトロイア戦争で英雄として名を馳せることとなる。
テティスはこの時も、戦で命を失う運命にある息子を救おうと、必死に尽力している……。
※1 「海の老人」と呼ばれる海神・ネーレーウス(賢く温和だったらしい)の娘達。
五十、もしくは百人いると言われる。
テティスの他、海神ポセイドンの奥さんとなったアムピトリテなども有名。
(「女神」と「精霊(ニンフ)」の差って、単に権力に近いか遠いかなのかしら〜? 力がないと「その多大勢(ニンフ)」扱い? ^^;)
※2 ヘラ女神の息子。生まれるなり「こんな醜い子いらんわ〜!」と、山頂からポイされた。
テティスと彼女の姉妹のエウリュノメが、助けて面倒を見た。
詳しくは「ヘパイストス」の回参照〜!
※3 この予言は、掟の女神テミスから聞いたとも、巨人族のプロメテウスから聞いたとも言われている。
※4 「ティターン vs オリュンポス」の回参照〜!
※5 「射手座」の回参照〜!
※6 凶暴な戦の神であるアレスの妹。兄同様、性格が破綻している。
しかし、たった一人呼ばないってのも、どうかと思いますが〜……。
「エリス」の回参照〜!
※7 神々の女王ヘラ、知の女神アテナ、愛と美の女神アフロディテが争った。
他の二人はともかく、知の女神まで……(脱力〜)。
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